選定事業とは

Code4Lib JAPANでは、図書館におけるICT活用の優れた実践例をグッドプラクティスとして選定しています。

選定は、以下の目安で行っています。
1.グッドプラクティスの図書館への導入拡大を促進するため、図書館が提供するサービスを対象としています。このため、原則的に個人や団体は除外しています。
2.1.にも関連しますが、外部ベンダーの機能を利用するサービスも対象としています。他方、図書館が利用できる外部サービス、たとえばカーリルやNext-L/Enjuは対象除外しています。
3.Code4Lib JAPANコアメンバーが関わるサービスやCode4Lib JAPANの研修事業の成果も除外せずに選定しています。

グッドプラクティス、引き続き募集中です!

なお、今後も審査を継続し、その結果を毎月最終月曜日に発表して参ります。自薦・他薦も受け付けておりますので、お気軽に事務局までご連絡もしくは選定事業グッドプラクティス募集フォームから情報をご提供ください。

2011年10月 選定結果

2011年10月時点での選定結果をお知らせします。(2011年11月1日発表)

◆1.岐阜県図書館 - 地図からさがす岐阜絵葉書デジタルライブラリー

http://www.library.pref.gifu.lg.jp/digitallib/ehagaki/ehagaki_map.htm
http://maps.google.co.jp/maps/ms?msid=201390983651997280552.0004aa1e8b4f88646e54b&msa=0
 Google マップとPicasaを使い所蔵絵葉書の一部を地図上に表示。

デジタル化した所蔵絵葉書を地図サービスである「Googleマップ」と写真共有サービスである「Picasa」を使い、地図上で閲覧できるようにしている。デジタル化資料の幅広い利用方法を提案しており、既存のデジタルアーカイブのあり方に一石を投じている。公共サービスと民間サービスの効果的な組合せとしても評価したい。

◆2.大阪産業労働資料館 エルライブラリー

http://shaunkyo.jp/
http://d.hatena.ne.jp/l-library/
http://twitter.com/#!/Llibraryosaka

はてなブログでの情報発信だけでなく、Twitterを積極的に活用し、古書販売等のPRを進めている。アマゾンアフィリエイトやGoogleカレンダーも活用し、休館情報の発信を行っている。
府政の急激な転換により苦しい運営状態であるが、ウェブ上でのプレゼンスを発揮することにより、支持を得つつある。

2011年8月 選定結果

選定したのは以下の10事例です。(2011年8月31日発表)

◆1.国立国会図書館 - カレントアウェアネス・ポータル

2008年2月のリニューアル以降、定期的に情報を更新し続け、いまや図書館業界にとって速報性や網羅性の点でなくてはならない存在となっている。また、リニューアルに際しては、現在海外の公共機関ではデファクトスタンダードになりつつあるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)であるDrupalを日本でも早期に採用した点も評価したい。日本での認知度や利用率も徐々に上がってきており、図書館業界には珍しい先駆者としての取り組みである。

◆2.ゆうき図書館 - 新着雑誌記事速報

国立国会図書館の雑誌記事索引のRSS、株式会社富士山マガジンサービスの目次新着情報「Fujisan RSS」とGoogle AJAX Feed APIを組み合わせた新着雑誌記事速報を提供している。雑誌の永久保存を行う図書館という特性を考慮し、自館に見合ったサービスを提供している点、また作成・運用マニュアルの提供等によって同様の取り組みを実施したい図書館を支援している点を評価する。

◆3.福井県立図書館 - 最近のレファレンス事例

同館がかねてから国立国会図書館によるレファレンス協同データベース事業に精力的に協力・貢献し、多数のレファレンス事例を提供している。今回、Code4Lib JAPAN主催のワークショップにおいて習得した技術を用いて、自館提供データを自館サイトでも閲覧可能な状態を創り出し、利用者のニーズに応えている点を評価する。

◆4.東松島市立図書館 - たすけあおうNippon 東日本大震災ほしい物リスト(Amazon)

東日本大震災によって亡失した資料類の回復のため、Amazonほしい物リストを利用した受援者側のニーズに見合った物資支援マッチングを実現している。すでに被災地で用いられている仕組みであるが、その活用に図書館業界の中で最も早く取り組んだ点を評価する。

◆5.野田市立図書館 - web-OPAC+

OPAC(オンライン蔵書検索システム)に比較的、簡易な作業で自館蔵書以外の外部サイトの情報を表示する仕組みを提供している。多大なコストを要さずに、図書館が判断した利用者が必要とする情報を提供できる仕組みを実現していることを評価する。

◆6.国立天文台 - 天文情報センター暦計算室

Googleカレンダーを使用して暦情報を提供し、Googleカレンダー利用者が暦を自分のカレンダーに取り込めるようにしている。それに際して、カレンダーに入力する項目の記述にも一定程度の配慮が見られる点を特に評価する。

◆7.神奈川県立図書館 - レファレンス事例集

国立国会図書館のレファレンス協同データベースから自館提供データを検索できるようにしている。協同データベース事業への貢献と自館サービスの両立を実現している点を評価する。

◆8.農林水産研究情報総合センター - ALIS WebOPAC OpenSearch対応とXML出力インターフェース

自館所蔵の書誌データをAPI経由で公開・提供している。国立機関とは言え、決して大規模な組織ではないにも関わらず、2008年という早い段階からデータのオープン化を進めてきた先駆者としての役割を特に評価する。

◆9.国立情報学研究所(NII) - CiNii

数度に渡るリニューアルを経て、日本全国の大学・研究機関はもとより、一般の市民に向けて学術論文検索サービスを提供し、専門知へのアクセスを保障している。特にユーザーインターフェースへの徹底したこだわりを持ち、誰にでも使いやすいサービスを実現している点を評価する。

◆10.成田市立図書館 - おすすめリスト

2009年に近年論議が盛んになっていた貸出履歴を用いた資料の推薦(レコメンド)システムを提供している。「図書館の自由」として謳われる利用者の秘密保護に十分に配慮しつつ、同時に利用者の利便性を高めるという困難な課題に取り組み、一つの答えを出した点を特に評価する。